昨年よりも下回った「数字の根拠」…あなたは答えられますか?

先日、コンサルティングに伺った時、
社長を始め、営業部長や開発部長が参加する会議の中で、業績に関する資料が参加者全員に配られました。今期の売上や客単価、利益などの推移が記され、昨対に下回っている数字が赤く記された一般的な資料です。わたしは配られて早々、いつものように、苦労して「上がっている」数字を探します。そして、この「上がっている数字」について質問します。
私「何故、上がったのですか?」

部「連休が重なったからだと思います」
部「天気の良い日が続いたもので」…

私「昨年と比較して、何か実施した施策はありませんか?」

部「…特に」

私「では、偶然ですか?」

そんな問答を繰り返している中で、いつもは声の小さな女性幹部が

「○○を変えました!」

私「いつから反応がありましたか?」
「どんなことを意識して変更したのですか?」
「これによって、どのような問合せが来ましたか?」…

私は矢継ぎ早に質問し、答えられなかった部分は調べてくるように促し、そして彼女は少し嬉しそうに、懸命にやり取りをノートに書き込んでいました。

多くの会社では、業績が下がっているところ、達成できていないところが赤字で示されています。この「失敗事例」に注目し、原因を探す…この考え方は、間違ってはいないんです。

でも、この「失敗分析」は、ほとんど「失敗」に終わってしまう。当然、失敗分析は意味があります。ただし、きちんと「冷静な議論が出来れば」という条件付きですが…。

講演等で、この成長分析について話をすると、必ずと言っていいほど経営者から質問されます。

「成長分析は重要だと感じましたが、やはり失敗分析も必要ですよね?」
もちろん、まったくその通りです。

当然ながら「成長分析だけが有効」だというのではなく、まずは目の前の数字に一喜一憂せず「冷静に考え、議論できる場」を創れているか。それが重要だということです。

しかし、多くの会社の「失敗分析」は、ただ「言い訳」を正当化する目的でしか機能せず、結局、「はい(H)」「すみません(S)」「がんばります(G)」という無意味な会話のやり取り、何も生まない議論で時間を費やしてしまいます(私たちは「HSG会議」と呼んでいます^^;)

だからこそ「成長分析」から始めてみることが重要だと提案しているのです。
成長分析は「思考を活性化」させます。しかも焦りや言い訳も生み出さない。出来ていないことよりも、出来たことを考え、伸ばすことができる。その「思考が活性化された場」が創られた上で、失敗分析を始めると、誰もが冷静に、価値ある会議を行うことが出来るのです。
ドラッカーも言っている「強みを活かす」とは、このようなことを指すのではないでしょうか。

 

今からもう一度、会議資料を見直してみましょう。そこに、活性化の鍵が隠されているはずです。
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■ 6月の勉強会ランキング
ネクサミ白熱勉強会では、各社のプレゼンを聞いて
メンバー全員が互いの「働きたい」「投資したい」「買いたい」
この3つの視点で点数を付けて、
壇上チームまでの道を楽しみながら高めあっています。

5月のランキングは以下の通りです
1、(株)アーバンフューネスコーポレーション「24時間フルハッピー」
2、(株)スギヤマ・コーポレーション「チームオーガスタス」
3、(株)アーバンフューネスコーポレーション「もしT」

6月勉強会はどのような動きを見せてくれるでしょうか。
乞うご期待です!

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